津山市内で現存する旅館の中で最も古い旅館建築とされています。表側は道路拡幅のため1階に改造されていますが,奥の2階建部分は水廻りを除いて書院造風の内部造作をよく残しています。旧城下町のたたずまいを残す地区の一画にあり,景観的に重要な位置を占めていることから、有形文化財として国に登録されています。
旅館の宿帳によると、明治40年(1907)8月13日、乃木希典が静子夫人と付き添いの内垣政吉を同伴して宿泊したことが記録されています。周知のように、乃木夫妻は明治天皇の後を追って大正元年に亡くなりますので、亡くなる数年前に本旅館に滞在したことになります。
あけぼの旅館は現在のようなホテルのない時代、多くの人々に利用されてきました。ちなみに、旅館の記録から宿泊した著名人の一部を拾ってみると次のとおりである。
犬養毅 灰田勝彦 山本リンダ 栃錦 清国 中村メイコ 中村雁治郎
住所:津山市戸川町31