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蟹かけ橋
大蟹伝説

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昔、越中と加賀の国境にある小さな村で、田や畑が荒らされたり、村人が行方知れずになったりすることが度々あった。
 ある日、村の若者二人が山奥にある池のそばを通りかかった時のこと、なにやら変な音がしたかと思うと、突然大きなバケモノが現れた。「な、なんじゃお前は!」と驚いた若者が声をあげると、バケモノは「小さな足が八本、大きな足が二本、両目は天をにらんで横に走るはなんじゃ!」と叫んだ。若者が「そんなもん知らん!お前はバケモノじゃ!」と言い返すと、バケモノは「何!わしがなんじゃ分からんと!そんならお前を食ってやる!」と言ってガブガブムシャシャと一人の若者を飲み込んでしまった。残ったもう一人の若者は一目散に逃げかえって村のみんなに話をした。村人たちは「今まで起こったことはそのバケモノの仕業に違いない」と思い、手に手に松明やらカマやらを持って集まった。そして知恵のある八講田の本叡寺の和尚さんを連れて山奥の池へと向かった。するとやはりバケモノが出て来て「小さな足が八本、大きな足が二本、両目は天をにらんで横に走るはなんじゃ!」と叫んだ。和尚はすぐに「それは蟹じゃ。お前は蟹のバケモノじゃ!」と答えて持っていた錫杖(しゃくじょう)でバケモノを一突きにした。バケモノは大声をあげてたちどころに逃げて行った。
 さて、次の日の朝。村を流れる五郎丸川には息絶えた大きな蟹が橋のようにまたがっていた。なんと、その甲羅の大きさと言えば大人8人が伏せるほどもあったという。それからこの辺りを蟹の谷と書いて「蟹谷(かんだ)」、五郎丸川に架かる橋を「蟹懸橋(かにかけばし)」と言い、大蟹が住んでいた池は「蟹池(かにいけ)」、その池の近くの集落を「八伏(はちぶせ)」と呼ぶようになったと言われている。

住所・スポット情報

住所 : 〒932-0862 富山県小矢部市五郎丸
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