むかし昔のお話です。越中と加賀の境にある峠に、3匹のいたずら好きな猿が住んでいました。
「キャッ キャッ キャッ!何か面白いことないかな」
「木の上で昼寝でもするか」
「そんなもん面白ない みんなで何かいたずらでもしようや」
猿たちが話していると荷を背負った男がやって来ました。
「あーあ くたびれた。この峠でちょっと昼寝でもしよう」
男はそう言ってそこに寝転んでしまいました。
すると、様子を伺っていた3匹のいたずら好きな猿が出てきて男のむしろを盗っていってしまいました。
今度は栗を背負った男がやって来ました。疲れていた男はその場で寝転んでしまいました。するとまた3匹の猿が出てきてこっそりとカゴの中にあった栗を食べてしまいました。さらに杵と臼を積んだ荷車を曳いた男がやって来ましたがやっぱりくたびれて寝転んでしまいました。そしてまたもや3匹の猿が出てきて荷車ごと盗っていってしまいました。
どれだけか時が経ち3人の男たちが気持ちの良い眠りから覚めました。そして3人は自分たちの持ち物がないことに気づきました。
「ここは峠やさかい、寝とる間に越中の坂へ転がっていったがや」
「それなら暗くならないうちに越中に降りて行こう」
気のいい3人の男たちはそう言うと峠を下って行きました。さて猿たちは山の上でお月様の出るのを待って男たちから奪った道具で餅つきを始めました。つきたてのお餅を我先に食べようと3匹の猿たちは一度に臼の中に頭を突っ込みました。そのうち猿たちはケンカをし始め、臼と一緒にゴロゴロと坂を転がりだしました。そして餅を顔にくっつけたまま転がり落ちて行きました。
「あちちちち 目がまわる!」
「もうだめだ!もちが取れないよ!」
「もうイタズラしませんから助けてください」
猿たちは泣き叫びながら言うと顔にくっついていた餅はいつの間にか取れていました。猿たちは顔に大やけどを負いました。それから猿の顔がこんなに赤くなったということです。
住所 : 〒932-0836 富山県小矢部市埴生 猿ヶ馬場
付近に駐車場あり