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子撫川ダム
子撫川のいわれ

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昔、子撫川の上流に一軒の家がありました。その家にはとても気立の良い娘が住んでいました。そこへ加賀・能登へ旅立とうとする若くて男前の一人の修行僧が
「すみませんが、お茶を一服いただけませんでしょうか」と立ち寄りました。
出て来た若い娘は頬を赤く染めながら、「はい、ただいま」と言ってお茶を持って来ました。その修行僧はお茶を一口飲むと「有難う」と言って去って行きました。

ところがこの娘はこの修行僧にすっかり心を奪われてしまい、僧の残したお茶をこっそりと飲んでしまいました。すると、あら不思議、娘は身ごもったのでした。わけを知らない親たちは心配でたまりませんでした。
「その子の父親は誰ながけ?私たちに教えておくれ。決して悪いようにはしないから」
と何遍も問いただしましたが、娘は決して答えようとはしませんでした。

その後、娘は無事に玉のような子を産みました。親たちは子どもができてしまった以上、今更何を言っても仕方がないと思い、みんなで大事に育てました。娘は父親である旅の修行僧が再びここを通るのをじっと待っていました。子供が3歳になったある日、あの時の修行僧が再び娘の家を訪れて来ました。
「失礼ですが、あなた様は三年前ここでお茶を一服飲まれませんでしたか」
と娘が聞くと
「はい、そうですが、なんでしょうか」
と僧が答えました。娘は一目、その僧に子どもを見せようと連れて来ました。修行僧は
「もしかしてその子は私の子どもではありませんか」
と言うなり子どもを抱き抱えました。そして優しく頭の先からつま先まで撫で回しました。すると不思議なことに、子どもはまるで泡が消えるかのように娘の涙とともに家の前の川に流れ出したちまち姿を消してしまいました。このような話が広がりそれから誰が言うこともなくこの川を「子を撫でる川」と書いて「子撫川」と呼ぶようになりました。

住所・スポット情報

住所 : 〒932-0005 富山県小矢部市 宮中字新村
駐車場あります