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スポット情報

浜地蔵
悲しき商人の亡霊から町を救ったのは…

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 今から150~60年ほど前の福町は、小矢部川の港町として賑わっていました。
 文化5年(1808)の夏のこと。旅商人の七兵衛は混雑していた船着き場で、商売の資本である大金を盗まれてしまいました。もちろん大金は返ってきませんでした。七兵衛は悲しみのあまり小矢部川に身を投げてしまいました。
 それからというもの。七兵衛の亡霊が現れ、伏木通いの商い船がよく転覆した。人々はその祟りに怯えるだけでどうすることもできませんでした。これを聞いた一人の尼さんが、七兵衛の霊を慰めるために一心に読経を続けました。その甲斐あって、満願の日から七兵衛の亡霊を見る人は一人もいなくなりました。こうして不安がなくなり、町は前にも増して賑わいを見せたので、心ある人がお金を出し合って、文化7年(1810年)の9月、地蔵尊を安置して旅人の安全と水難の全くなくなることを祈ったと伝えられています。
 また、この地蔵尊は汗かき地蔵とも呼ばれています。それは、日本の国にとって大きな事件が起こると肌に汗をかいて国の加護につとめられるからだと言われています。実際に、明治の日清・日露戦争、そして太平洋戦争の時もびっしょりと汗をかかれたことを多くの人が目にしているということです。
 現在、この地蔵尊は、おやべ橋を少し下った右岸の高い堤防にあって、今日も小矢部川の流れと町の発展を静かに見守っています。

住所・スポット情報

住所 : 〒932-0005 富山県小矢部市西福町15
専用駐車場はありません。小矢部川河川公園の駐車場をご利用ください。